目次

4.2 図形出力

OpenMOMでは図形出力に汎用グラフィックスライブラリーev[7]を使用しています。
その中で3D図形表示のライブラリーとしてOpenTK[8]を使用しています。
ポスト処理が終了すると計算結果の図形がファイルev.ev2(2D)またはev.ev3(3D)に出力されます。(注1)
ポスト処理制御において(2D)または(3D)と書かれているものに対してはそれぞれ2Dと3Dの図形データが出力されます。
ev.ev2とev.ev3は独自形式のファイルであり、 それぞれビューワーev2d.exe(2D),ev3d_otk.exe(3D)を用いて図形表示されます。
ビューワーの使い方についてはツールボタンにマウスを置くと説明が表示されます。
また、下のステータスバーに各種の情報が表示されます。
以下に図形出力例を示します。

4.2.1 電流分布

図4-2-1、図4-2-2が2Dと3Dの電流分布です。
すべての要素の電流分布が表示されます。
2Dでは横軸が要素番号、縦軸が電流です。黒は振幅、赤は位相です。給電点の位置に■が表示されます。
3Dでは振幅が表示され、振幅が大きくなると青→赤となります。
複数の周波数を指定したときは複数のページが出力されます。
本図は主に線状アンテナで使用します。


図4-2-1 電流分布(2D)


図4-2-2 電流分布(3D)

4.2.2 周波数特性

図4-2-3がスミスチャートです。
1給電点につき1ページが出力されます。


図4-2-3 スミスチャート(2D)

図4-2-4、図4-2-5、図4-2-6がアンテナの周波数特性です。
横軸が周波数です。
複数の給電点が入力されたときは1ページに重ね書きされます。


図4-2-4 入力インピーダンスの周波数特性(Rin:実部、Xin:虚部)(2D)


図4-2-5 入力アドミッタンスの周波数特性(Gin:実部、Bin:虚部(2D)


図4-2-6 反射係数の周波数特性(2D)

図4-2-7が指定した方向の遠方界(利得)の周波数特性です。横軸が周波数です。
このとき3ページ出力されます。 1ページ目は(E,Eθ,Eφ)、 2ページ目は(E,Emajor,Eminor)、 3ページ目は(E,ERHCP,ELHCP)です。


図4-2-7 指定した方向の遠方界の周波数特性(2D)

4.2.3 遠方界面上パターン図

図4-2-8、図4-2-9が遠方界の面上のパターン図です。
図4-2-8が円プロットを選択したとき(既定値)、図3-5-9がXYプロットを選択したときの図です。
出力されるページ数は「周波数の数 X 遠方界面の数 X 選択した成分の数」です。


図4-2-8 遠方界面上パターン図(円プロット)(2D)


図4-2-9 遠方界面上パターン図(XYプロット)(2D)

4.2.4 遠方界全方向パターン図

図4-2-10が遠方界の全方向のパターン図です。
出力されるページ数は「周波数の数 X 選択した成分の数」です。


図4-2-10 遠方界全方向パターン図(3D)

4.2.5 近傍界線上分布図

図4-2-11が近傍界の線上の分布図です。 電界または磁界のX/Y/Z成分とその合成値が表示されます。
出力されるページ数は「周波数の数 X 線の数」です。


図4-2-11 近傍界線上分布図(2D)

4.2.6 近傍界面上分布図

図4-2-12と図4-2-13が近傍界の面上の分布図の2D表示と3D表示です。
赤は値の大きいこと、青は値の小さいことを表します。
物体の形状が黒の線で表示されます。
出力されるページ数は「周波数の数 X 面の数」です。


図4-2-12 近傍界面上分布図(2D)


図4-2-13 近傍界面上分布図(3D)

■ 動画
[近傍界面上]の[2D]と[動画2D]をONにすると、 図4-2-12と同様の図の指定された[フレーム数]の動画が出力されます。
▶をクリックすると調和電磁界の時間波形がエンドレスに表示されます。 +/-をクリックすると加速/減速されます。 再度▶をクリックすると動画が停止します。
なお、動画を表示するときは他の2D図形出力をOFFにしてください。
また、動画で表示されるものは最初に指定された近傍界面と最初の周波数の組み合わせのみです。