目次

2.4 Friisの伝達公式による受信電力

受信点における受信電力は、Friisの伝達公式[4]を、複数の送信アンテナがあり、 さらにそれぞれ複数の伝搬経路がある場合に拡張します。
伝搬経路の位相差を考慮しない受信電力(電力加算法)は式(2-4-1)、 伝搬経路の位相差を考慮した受信電力(複素電圧加算法)は式(2-4-2)となります。

 (2-4-1)

 (2-4-2)

ここで、総和nは送信アンテナについてとり、 総和iはそれぞれの送信アンテナから出るすべての伝搬経路についてとります。 その他の意味は以下の通りです。

Pr : 受信電力
Pt,n : 送信アンテナnの送信電力
φn : 送信アンテナnの位相
λ : 波長、k=2π/λ : 波数
ln,i : 伝搬経路長
Rn,i : 反射・透過・回折係数の積(複素数)
Gt,n,i, Et,n,i : 送信アンテナnからの伝搬経路iの送信方向の電力利得と電界利得(複素数) Gt,n,i=|Et,n,i|2
Gr,n,i, Er,n,i : 受信アンテナnからの伝搬経路iの受信方向の電力利得と電界利得(複素数) Gr,n,i=|Er,n,i|2