図4-3-1は地下街の計算モデルです。
一端に送信点を置き、そこから離れた所に、観測点、観測線、観測面をとります。
アンテナの偏波は、送受信ともに垂直偏波とします。
壁の物性値はεr=5,σ=0.01S/m、最大反射回数=10、周波数=3GHzです。
図4-3-1 地下街の計算モデル(60x8x3m)
図4-3-2は観測点の遅延プロファイルです。
伝搬経路は200本存在しますが、壁に反射すると減衰するので、
直接波から-50dB以上であるのは半分以下です。
反射回数は必要以上にとる必要はないと思われます。
図4-3-2 観測点の遅延プロファイル
図4-3-3は観測線の受信電力です。
位相差ありは激しく変動しますが、
位相差なしは緩やかに減衰します。
図4-3-3 観測線の受信電力
図4-3-4は観測面の受信電力です。
観測線と同じ傾向が見られます。
図4-3-5は観測面の遅延時間です。
場所であまり変動しないことが特徴的です。
図4-3-4 観測面の受信電力(上:位相差あり、下:位相差なし)
図4-3-5 観測面の遅延時間(上:平均遅延、下:遅延スプレッド)
図4-3-6は通路断面の位相差ありの受信電力です。
特徴的な分布が見られます。
図4-3-6 観測面の受信電力(通路断面、位相差あり、送受信間=50m)
図4-3-7~図4-3-9は受信アンテナと受信アンテナが水平偏波のときの観測線と観測面の受信電力です。
上の垂直偏波のときと比べると位相差なしのときはほぼ同じですが、
位相差ありのときは分布に違いが見られます。
図4-3-7 観測線の受信電力(送信:水平偏波、受信:水平偏波)
図4-3-8 観測面の受信電力(送信:水平偏波、受信:水平偏波、位相差あり)
図4-3-9 観測面の受信電力(送信:水平偏波、受信:水平偏波、通路断面、位相差あり)
図4-3-10と図4-3-11は送信アンテナが垂直偏波、受信アンテナが水平偏波のときの観測線と観測面の受信電力です。
上記のV-V,H-Hの同一偏波と比べると20dB以上小さくなり、また距離減衰も大きくなります。
図4-3-10 観測線の受信電力(送信:垂直偏波、受信:水平偏波)
図4-3-11 観測面の受信電力(送信:垂直偏波、受信:水平偏波、位相差あり)
図4-3-12はトンネルの計算モデルです。
トンネルの長さは120m、観測線と観測面の長さは100mです。
壁の物性値はεr=5,σ=0.01S/m、最大反射回数=10、周波数=3GHzです。
図4-3-12 トンネルの計算モデル(120x12x6m)
図4-3-13~図4-3-15は送受信アンテナが垂直偏波のときの受信電力です。
図4-3-13 観測線の受信電力(送受信:垂直偏波)
図4-3-14 観測面の受信電力(送受信:垂直偏波、上:位相差あり、下:位相差なし)
図4-3-15 観測面の受信電力(送受信:垂直偏波、送受信間100m断面、高さ3m、位相差あり)
図4-3-16~図4-3-18は送受信アンテナが水平偏波のときの受信電力です。
図4-3-16 観測線の受信電力(送受信:水平偏波)
図4-3-17 観測面の受信電力(送受信:水平偏波、上:位相差あり、下:位相差なし)
図4-3-18 観測面の受信電力(送受信:水平偏波、送受信間100m断面、高さ3m、位相差あり)