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6.8 金チップ基板間の電界分布

■入力データ: TERS_3d.oth

図1のように先端の丸い金のチップと金の基板を距離d離して置いたモデルを考えます[25]。
形状データは以下の順で入力します。
(1) 金の逆さ円錐を入力する
(2) 空気で金の円錐の先端を除く
(3) 先端に金の球(直径D=50nm)を置く
(4) 下に金の基板を置く
これに波長632.8nm(473.8THz)の平面波(P偏波, 1V/m)が斜めから入射するものとします。
セルサイズ=1nmとします。


図1 金のチップと基板の計算モデル

図2と図3に金の基板がないときとあるときの電界分布を示します。
チップの先端で電界が最大になります。基板があるとき大きな電界が発生します。
電界の最大値と入射電界との比を電界増強比Mと呼びます。それぞれ6.1, 69.3となります。


図2 金基板がないときの電界分布(入射角=60度、XZ面)


図3 金基板があるときの電界分布(入射角=60度、d=2nm、XZ面)

図4に入射角を変えたときの電界増強比Mを示します。入射角70度付近で最大になります。


図4 入射角と電界増強比Mの関係(d=2nm)

図5にチップと基板との距離dを変えたときの電界増強比Mを示します。 電界増強比はチップ基板間距離にほぼ反比例することがわかります。


図5 チップ基板間距離dと電界増強比Mの関係(入射角=60度)