目次

4. 深層学習の結果

4.1 モーメント法

図4-1にデータ数を変えたときの、遠方界、近傍界、入力インピーダンスの損失を示します。
メモリー容量の関係から、データ数200,000以上は200,000ずつ分割して学習しています。 また、近傍界は給電電圧に比例するために、 遠方界(無次元)と同じオーダーになるように因子をかけています。
図から、遠方界と近傍界は同じ傾向があり、データ数が大きくなると損失が小さくなり、 推定精度が上がることがわかります。
入力インピーダンスについても減少度は小さいですが同様の傾向があります。


図4-1 データ数と損失の関係

図4-2に12例の遠方界の推定結果を示します。上は正解で下は推定です。 上の黒数字はデータ番号と平均値、下の赤数字はデータ番号と誤差(L1誤差)です。 いずれも正しく推定できていることがわかります。 誤差の平均は0.029となり、これから遠方界を3%の誤差で推定できるがわかります。


図4-2 遠方界の推定結果(上:正解、下:推定、データ数=1,000,000)

図4-3に12例の近傍界の推定結果を示します。上は正解で下は推定です。 いずれも正しく推定できていることがわかります。


図4-3 近傍界の推定結果(上:正解、下:推定、データ数=1,000,000)

4.2 FDTD法

図4-4にデータ数を変えたときの、遠方界、近傍界、入力インピーダンスの損失を示します。
データ数100,000以上では、次節で説明するdata augmentation(データ増量)を使用しています。
図から、モーメント法と同じく、データ数が大きくなると損失が小さくなり、 推定精度が上がることがわかります。


図4-4 データ数と損失の関係

図4-5、図4-6に遠方界と近傍界の推定結果を示します。上は正解で下は推定です。 モーメント法と比べてデータ数が少ないので推定精度はやや落ちますが、 おおむね正しく推定できていることがわかります。


図4-5 遠方界の推定結果(上:正解、下:推定、データ数=100,000)


図4-6 近傍界の推定結果(上:正解、下:推定、データ数=100,000)

4.3 画像反転によるデータ増量

限られたデータから、画像を加工することによりデータ数を増やすことができます。 これをdata augmentation(データ増量)と呼びます。
本ケースでは給電点が中心にあることを利用して、 アンテナ形状と遠方界、近傍界を上下、左右、上下左右に反転することができます。
図4-7の青線は元データをそのままに80エポック計算したものです。 赤線は、20エポックごとに上下、左右、上下左右に反転したものです。 これから、データ増量はデータが実際に増えたことに近い効果があることがわかります。


図4-7 画像反転によるデータ増量の効果(遠方界損失、データ数=100,000)