目的
本プログラムは深層学習(deep learning)とFDTD法(Finite Difference Time Domain)[1]
を用いて、地中レーダー[2]の画像から地中構造を推定するものです。
FDTD法
FDTD法を用いて、地上にある1個の送信アンテナから地下に向かってパルスを送信し、
地上にある近くの1個以上の受信アンテナの時間波形を計算します。
受信波形は地下の構造を反映しています。
送信アンテナを移動して同様に受信波形を計算します。
以上の計算結果をもとに、横軸を送信アンテナ位置、縦軸を受信波形として図示すると画像が得られます。
それをここでは地中レーダー画像と呼びます。
地中レーダーの用語ではBスキャンと呼ばれます。
以上の操作を地下の誘電率分布をランダムに変えながら多数回行います。
これによって地下の誘電率分布と地中レーダー画像の組が多数得られます。
プログラミングにはCを用います。
深層学習
地下の誘電率分布と地中レーダー画像の組を深層学習で学習することによって、
地中レーダー画像から地下の誘電率分布を推定することができます。
これはFDTD法とは反対方向の計算であり逆問題になります。
逆問題は一般に解くことが困難であり不安定ですが、
深層学習の強力な学習能力によって可能になります。
深層学習にはCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用います。
プログラミングにはPythonとPyTorch[3][4][5]を用います。