目次

2. 開発環境

2.1 開発環境のインストール(Windows)

(1) C/C++コンパイラー
C/C++コンパイラーとして Microsoft Visual Studio (以下VC++)[22]がインストールされているものとします。
これと異なるときは適当に読み替えてください。
SIMDとOpenMPの開発環境は通常C/C++コンパイラーに含まれています。
コマンドラインで開発するには環境変数に以下のフォルダを追加してください。
(スタート→設定→システム→バージョン情報→システムの詳細設定→環境変数)
・VC_HOME : VC++のルートフォルダを指定する
・PATH : %VC_HOME%\bin\Hostx64\x64 を追加する(VC++のbinフォルダ)
・INCLUDE : %VC_HOME%\Include を追加する(VC++のincludeフォルダ)
・LIB : %VC_HOME%\Lib\x64 を追加する(VC++のlibフォルダ)

(2) MPI
[10]から"Microsoft-MPI"をダウンロードしてインストールしてください。
環境変数が以下のように設定されます。
・MSMPI_BIN : PATHに追加される
・MSMPI_INC : INCLUDEに追加される
・MSMPI_LIB64 : LIBに追加される

(3) CUDA
[11]から使用環境に合ったCUDAをダウンロードしてインストールしてください。
環境変数が以下のように設定されます。
・CUDA_PATH : CUDAのルートフォルダが指定される
・PATH : %CUDA_PATH%\bin が追加される(CUDAのbinフォルダ)
・INCLUDE : %CUDA_PATH%\Include が追加される(CUDAのincludeフォルダ)
・LIB : %CUDA_PATH%\Lib\x64 が追加される(CUDAのlibフォルダ)

(4) OpenCL
NVIDIAのグラフィックスボードで動かすための開発環境はCUDAの開発環境に含まれています。
コマンドラインで開発するには環境変数に以下のフォルダを追加してください。
・INCLUDE : CL/cl.h を含むフォルダ
・LIB : OpenCL.lib を含むフォルダ

(5) コマンドラインでの作業
コマンドライン(ターミナル)で開発を行うには以下の3通りがあります。

  1. スタートメニューからターミナルを起動し"コマンドプロンプト"を起動します。 ただし(1)の環境変数の設定が必要です。
  2. スタートメニューからターミナルを起動し"Developer Command Prompt for VS 2022"を起動するか、 スタートメニューの"Visual Studio 2022"→"x64 Native Tools Command Prompt for VS 2022"をクリックします。 このとき(1)の環境変数が設定されたターミナルが起動されます。 ただし余分な環境変数も設定されるので上の方法を推奨します。
  3. WSL2+Ubuntu をインストールし、Ubuntuを起動します。 このときLinuxの開発コマンドが使えます。 ただし(1)の環境変数の設定が必要です。 (Windowsの環境変数がUbuntuに継承されます)

2.2 開発環境のインストール(Linux)

(1) C/C++
C/C++コンパイラーとして gcc がインストールされているものとします。
これと異なるときは適当に読み替えてください。
SIMDとOpenMPの開発環境は通常C/C++コンパイラーに含まれています。

(2) MPI
MPIの実装はいくつかありますが、 ここでは現在広く使用されている OpenMPI[9] を使用します。
下記のコマンドでインストールしてください。
$ sudo apt-get install libopenmpi-dev

(3) CUDA
[11]から使用環境に合ったCUDAをダウンロードしてインストールしてください。

(4) OpenCL
[16]-[18]から使用環境に合ったOpenCL SDKをダウンロードしてインストールしてください。