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2.14 伝送線路特性

本節では伝送線路のSパラメーターを計算する方法を述べます。
図2-14-1のように伝送線路上に一つの観測点とその両側に距離dだけ離れた2点をとり、 それぞれの点の電界(複素数)をE1,E1+,E1-とします。
伝搬定数をβとすると、 各点の電界は次式のように進行波E+と反射波E-に分解されます。

(2-14-1)

これから

(2-14-2)

となり、これを解いて次式が得られます。

(2-14-3)

ただし、複号は右辺の虚部が正になる方を選びます。
S11は式(2-14-1)の第2式と第3式を解いて次式で計算されます。

(2-14-4)

その他のポートn(n=2,3,...)の代表点での電界をEnとおくとSn1は次式で計算されます。

(2-14-5)


図2-14-1 伝送線路