Murの一次吸収境界条件を磁界の接線成分に適用します。
ここで電界ではなく磁界を取ったのはMPIを用いた並列計算の領域分割と相性がいいためです。
例えば-X境界面で-X方向に進む波のHy成分の波動方程式(one way wave equation)は以下のようになります。
(2-5-1)
(2-5-2)
ここで、vは境界での光速、
εr,μrは境界での比誘電率と比透磁率です。
式(2-5-1)のそれぞれの項をt=nΔt, i=0で離散化すると以下のようになります。
(2-5-3)
(2-5-4)
式(2-5-3)の右辺と式(2-5-4)の右辺を等しいとおくと式(2-5-5)が得られます。
(2-5-5)
式(2-5-5)の右辺第一項はタイムステップ毎に上書きされるために別途保存しておくことが必要です。
同様にZ成分については式(2-5-6)になります。
(2-5-6)
同様に+X境界面でのY,Z成分については式(2-5-7)になります。
(2-5-7)
その他の境界面についても同様に導かれます。