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6.9 マイクロストリップアンテナ

■入力データ: data/sample/msa.ofd

マイクロストリップ線路の先端にアンテナを置いたものをここではマイクロストリップアンテナと呼びます。
図6-9-1にマイクロストリップアンテナを示します。
マイクロストリップ線路を境界まで延ばし、境界から適当に離れた点に給電点(feed行)を置きます。 このときの給電点は電磁界を励振するためのものであり、実際には存在しないものです。 これを仮想給電点を呼びます。仮想給電点ではパルスを励振し終えたら何もない状態になります。 従って仮想給電点では線路とグラウンド板をPEC線で結ばないでください。
アンテナの反射係数(=S11)を求めるには線路の途中に観測点(point行)を置きます。 このとき給電点と観測点を十分離してください。
図6-9-2にS11の周波数特性を示します。
参考までにメッシュ分割数をすべて2倍にしてセルサイズを半分にしたときの結果は図6-9-3となります。
共振周波数の誤差は一般にセルサイズに比例します。 ただし、セルサイズを半分にすると必要メモリーが8倍、計算時間が16倍になります。
共振周波数での電界分布は図6-9-4の通りです。エッジ周辺に大きな電界が発生します。
YZ面の遠方界は図6-9-5の通りです。 正面(+Z方向)で利得が最大5.2dBとなり、軸比が18dBの直線偏波になります。


図6-9-1 マイクロストリップアンテナ


図6-9-2 S11(5-10GHz)


図6-9-3 S11(5-10GHz, 密メッシュ)


図6-9-4 電界分布(7.0GHz, Z=3mm面)


図6-9-5 遠方界(7.0GHz, X面)