目次

7.11 ホーンアンテナ

(1) ホーンアンテナ

図1のホーンアンテナを計算します。
導波管を切断し、一端にホーンをつけます。 ホーンが導波管と自由空間を円滑に接続します。
導波管の1点に給電点を置きます。 導波管の基本モードTE01を考慮して、給電点の位置は中央、向きはZ方向とします。
給電点とホーンの間に反射係数を求めるための観測点1を置きます。
吸収境界条件については、導波管内の位相速度が自由空間と異なるために、 位相速度を自由空間と仮定しているMur一次は精度が悪いためにPMLを用います。
図2に反射係数S11の周波数特性を示します。 導波管の基本モードの帯域2:1をカバーしています。
図3にE面(XZ面)、図4にH面(XY面)の電界分布の振幅と位相を示します。
位相を見ると、ホーンによって導波管の平面波が自由空間の球面波に変換されることがわかります。
なお、遠方界については、導波管の反対の開口面からの遠方界と合成され、 ホーン出口からの遠方界だけを取り出すことはできません。


図1 計算モデル


図2 反射係数S11(2~5GHz)


図3 電界分布(3GHz、E面、Ez成分、左:振幅、右:位相)


図4 電界分布(3GHz、H面、Ez成分、左:振幅、右:位相)

(2) ダブルリッジホーンアンテナ

ホーンアンテナの帯域幅をより広くするために図5のようなダブルリッジホーンアンテナが用いられます。
導波管のE面中央に上下からリッジを設け、さらに、ホーン部まで上下から曲線状に延長させます。
ホーン部のリッジには楕円柱を使用しています。
図6に反射係数S11の周波数特性を示します。 図2と比べて帯域幅が大幅に広がっていることがわかります。
図7に3GHzの電界分布、図8に6GHzの電界分布を示します。


図5 計算モデル


図6 反射係数S11(1~10GHz)


図7 電界分布(3GHz, 左:E面、右:H面)


図8 電界分布(6GHz, 左:E面、右:H面)

◆入力データ:
horn.ofd  horn_ridge.ofd