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7.14 テーパースロットアンテナ

下記文献を参考に図1のテーパースロットアンテナを計算します。
スロット部の一か所を電圧給電し、一方は空洞の先端を短絡し、他方をテーパー状にして放射します。
テーパー形状により広帯域で動作することが期待できます。
以下の三つのモデルを考えます。

本アンテナは形状がやや複雑なのでデータ作成スクリプトを使用します。 ソースコードとその出力ファイルは下記の通りです。


図1 計算モデル (左からTypeA,B,C)

反射係数を図2に示します。
TypeBはTypeAと比べて低周波での反射係数が小さくなることがわかります。
TypeCはTypeBと比べてさらに低周波での反射係数が小さくなり、文献の結果と一致します。 これは周囲の長さが延びたことによるものと思われます。


図2 反射係数 (0.5~4.5GHz、左からTypeA,B,C)

図3(1GHz)と図4(2GHz)にZ面の放射パターンを示します。 +Y方向に水平偏波(Eφ)が放射されます。


図3 放射パターン (1GHz、Z面、左からTypeA,B,C)


図4 放射パターン (2GHz、Z面、左からTypeA,B,C)

文献:
[1] 笹森崇行, テーパスロットアンテナの小形化に関する検討, 電子情報通信学会論文誌, Vol.J105-B, No.2, pp.31-33, 2022年2月
[2] 笹森崇行, テーパスロットアンテナの周波数帯域の下限周波数の低減, 電子情報通信学会総合大会, B-1-144, 2022年3月

◆データ作成スクリプト:
TSA.vbs

◆入力データ:
TSA_A.ofd  TSA_B.ofd  TSA_C.ofd