本章では文献[9]のChapter4からChapter23までのうちOpenFDTDで計算できるモデルを取り上げます。
逆Fアンテナの片側または両側に無給電の逆L素子を置いて広帯域化を図ります。([9] Chapter4)
図1はアンテナ形状です。短絡線の位置と水平線の長さを微調整しています。
図2はスミスチャートです。中心の周りを回るとき広帯域になります。
図3は反射係数です。片側に無給電素子を置くと帯域が広くなり、
両側に無給電素子を置くと帯域がさらに広くなります。
![]() (a) 片側無給電素子 |
![]() (b) 両側無給電素子 |
図1 アンテナ形状 |
![]() (a) 片側無給電素子 |
![]() (b) 両側無給電素子 |
図2 スミスチャート (1.04-1.44GHz, Z0=50Ω) |
![]() (a) 片側無給電素子 |
![]() (b) 両側無給電素子 |
図3 反射係数 (1.04-1.44GHz, Z0=50Ω) |
小形アンテナと吸収境界条件
小形アンテナ(アンテナの大きさが波長と比べて小さいアンテナ)では、
計算領域が波長と比べて十分大きくないために、
吸収境界条件としてはMur一次が仮定している外向放射条件が満たされず、
PMLを使用することがほぼ必須になります。
◆入力データ(右クリック+[保存])
IFA_P1.ofd,
IFA_P2.ofd
図4は反射係数の計算結果をOpenMOMとOpenFDTDで比較した図です。
モーメント法とFDTD法では線分の長さの離散化誤差や線分半径の意味が異なるので、
少し違いが見られますが傾向としてはよく合っています。
図4 反射係数のOpenMOMとOpenFDTDの比較 (1.04-1.44GHz, Z0=50Ω)