メタマテリアルから成るヘリカルアンテナを考えます。([9] Chapter23)
本アンテナは低い周波数で左旋円偏波、高い周波数で右旋円偏波を放射します。
図1にアンテナ形状を示します。
グラウンド板の上に4枚の薄い誘電体基板を立て、その裏面はグラウンド板とし、
その表面にメタマテリアルアンテナを貼ります。
FDTD法は直交形状が扱いやすいために、文献[9]の角型ヘリカルと異なり、
線路は水平とし、角で垂直方向に段差を設けます。
セルサイズを1mmとするために基板の厚さを文献[9]の1.6mmから2.0mmに変えています。
このとき7.6のツールにεr=2.6,w=2.0mm,H=B=2.0mmを代入するとZ0=88Ωになります。
ヘリカルの始点を同軸給電し、終端は抵抗(88Ω)で裏面のグラウンドと接続します。
図2に巻き数N=2,3,4のときの左右円偏波成分の利得の周波数特性を示します。
文献[9]のFigure23.7と同じく、推移周波数fT=3GHz以下では左手系のため左旋円偏波、
それ以上では右手系のため右旋円偏波を放射します。
図3にN=2,3,4のときの左手系と右手系の放射パターンを示します。
文献[9]のFigure23.8と似ています。
図4にN=2,3,4のときの反射係数の周波数特性を示します。
推移周波数付近は遮断域になります。
文献[9]のFigure23.9と似ています。
図1 アンテナ形状 (N=2, 図の使い方は5.4参照)
![]() (a) N=2 |
![]() (b) N=3 |
![]() (c) N=4 | |
図2 左右円偏波成分の周波数特性 (θ=0度, 2-5GHz) | |
![]() (a) N=2, 2.40GHz(fLH) |
![]() (b) N=2, 3.70GHz(fRH) |
![]() (c) N=3, 2.50GHz(fLH) |
![]() (d) N=3, 3.75GHz(fRH) |
![]() (e) N=4, 2.50GHz(fLH) |
![]() (f) N=4, 3.80GHz(fRH) |
図3 放射パターン (XZ面) | |
![]() (a) N=2 |
![]() (b) N=3 |
![]() (c) N=4 | |
図4 反射係数 (2-5GHz, Z0=88Ω) |
◆入力データ(右クリック+[保存])
Metahelical_N2_d1mm.ofd,
Metahelical_N3_d1mm.ofd,
Metahelical_N4_d1mm.ofd
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Metahelical.c