図1のアンテナを考えます。本アンテナは広帯域・低姿勢という特長をもっています。([9] Chapter7)
モデルaは円形パッチの一部にスロットを設け、
中央の円形パッチとグラウンド板を給電線で接続し、
外側の円形パッチの4箇所をグラウンド板とピンで接続しています。
スロットを表現するには同心円上の物体を外側から順に入力する必要があります。
パッチの外径は内側から順に6.7,10,40mm、パッチとグラウンド板の距離は10mmです。
スロットはリアクタンスを消し、ピンは抵抗を上げる効果があります[9]。
モデルbは給電線を広がりを持った回転対称体(Body of Revolution : BOR)に置き換えたものです。
BOR部を3個の円錐台で表現しています。
図1 アンテナ形状
図2は各アンテナのVSWRです。
給電線をBOR形状にすることによって高周波のVSWRが大幅に下がることがわかります。
図2 各アンテナのVSWR (1-15GHz, Z0=50Ω)
◆入力データ(右クリック+[保存])
SPR.ofd,
SPR_BOR.ofd
図3はアンテナbをOpenFDTDとOpenMOMで計算した結果です。
両端で違いが見られますが、中間の周波数ではVSWRが低いことが一致しています。
図3 VSWRのOpenFDTDとOpenMOMの比較 (アンテナb, 1-15GHz, Z0=50Ω)