折り曲げアンテナを2個対向して並べたモデルを考えます。([9] Chapter12)
図1にアンテナ形状を示します。
形状は文献[9]のBeToL2と同じです。
+Xにあるアンテナを給電し、-Xにあるアンテナを短絡します。
グラウンド板の大きさはSGP=3λ3四方とします。
図2に入力インピーダンスを示します。文献[9]のFigure12.6の実線と似ています。
図3に反射係数を示します。文献[9]のFigure12.10と似ています。
図4に放射パターンを示します。文献[9]のFigure12.7の左と似ています。
Figure12.8-Figure12.10で述べられているように放射パターンはグラウンド板の大きさの影響を受けますが、
入力インピーダンスはほとんど影響を受けません。
短絡したアンテナが反射板と役目を果たし、ビームの中心は+X方向、
すなわち給電したアンテナの方向になります。
給電アンテナを切り替えることによってビームの向きを変えることができます。(4素子のときは4方向)
図1 アンテナ形状 (図の使い方は5.4参照)
図2 入力インピーダンス (2-8GHz)
図3 反射係数 (2-8GHz, Z0=50Ω)
![]() (a) 2.6GHz, XZ面 |
![]() (b) 2.6GHz, XY面 |
![]() (c) 3.0GHz, XZ面 |
![]() (d) 3.0GHz, XY面 |
![]() (e) 3.4GHz, XZ面 |
![]() (f) 3.4GHz, XY面 |
図4 放射パターン |
◆入力データ(右クリック+[保存])
BeToL2.ofd
次に、給電点の位置は一か所の固定とし、それ以外の方法でビーム方向を変えるアンテナを考えます。
([9] Chapter12 Exercise)
図5にアンテナ形状を示します。スロット付きパッチの中心を給電し、4方向にY線路とL線路を配置します。
Y線路はビームの切り替えに使用し、L線路はインピーダンス整合のためにあります。
Y線路とグラウンド板の間を開放と短絡を考えます。
以下の2ケースを計算します。
ケース1 : (-X,-Y),(-X,+Y)短絡、他は開放
ケース2 : (-X,-Y)短絡、他は開放
図6に反射係数を示します。どちらも2.4GHzで整合がとれていることがわかります。
図7に2.4GHzでの水平面の放射パターンを示します。文献[9]のFigure12.23とよく似ています。
4隅のY線路を開放と短絡と変えることでビームを8方向に切り替えることができます。
図5 アンテナ形状 (図の使い方は5.4参照)
![]() (a) ケース1 |
![]() (b) ケース2 |
図6 反射係数 (2-3GHz, Z0=50Ω) |
![]() (a) ケース1 |
![]() (b) ケース2 |
図7 放射パターン (2.4GHz, XY面) |
◆入力データ(右クリック+[保存])
Patch_Yline_Lline_1.ofd,
Patch_Yline_Lline_2.ofd
図8は図1のモデルの反射係数をOpenFDTDとOpenMOMで計算した結果です。
少し差が見られますが全体の傾向は一致しています。
図8 反射係数のOpenFDTDとOpenMOMの比較 (2~8GHz, Z0=50Ω)