目次

付録B 電流波源の放射電磁界

原点にあるZ方向を向いた微小電流モーメントIlの放射する電磁界は以下のようになります([16]p.21)。

 (B-1)
 (B-2)

ここでε,μは媒質の誘電率と透磁率です。
f1,f2はrのみの関数で無次元です。 括弧内の第1項が静電界、第2項が誘導界、f2の第3項が放射界です。 生体内のマイクロ波では距離rが波長λのオーダーなので、 上の全部の項を考慮する必要があります。
上の式は極座標なのでこれをXYZ座標に変換します。
まず、極座標とXYZ座標の単位ベクトルの関係は以下のようになります。

 (B-3)
 (B-4)

式(B-3)と式(B-4)の行列は互いに逆行列であり転置行列です。
式(B-1)と式(B-3)から次式が得られます。

 (B-5)

ここで座標変換式(B-6)を用いると結局式(B-7)が得られます。

 (B-6)
 (B-7)

電流モーメントがX方向、Y方向を向いているときは式(B-7)をx→y→z→xと巡回して次式が得られます。
電流モーメントがX方向のとき:

 (B-8)

電流モーメントがY方向のとき:

 (B-9)